「ホームベーカリーは何時間で焼ける?」
「ホームベーカリーって時間がかかる?」
「炊飯器と一緒かな?」
ホームベーカリーの購入を迷われてる方に、ホームベーカリーでパンを焼く時にかかる時間をお伝えします。
ホームベーカリーで食パンを焼く時にかかる時間は、基本的に4時間です。
ただし、パン作りにかかる時間は機種やコース、作りたいパンによって大きく異なります。
早焼きコースがあったり、米粉パンなら2時間台で焼けますし、天然酵母を使えば倍以上の時間がかかります。
この記事では、パナソニック、シロカ、象印、アイリスオーヤマといった主要メーカーで、食パンの焼き時間や時間配分を紹介します。
さらに、単に焼くだけの機能だけでなく、忙しい毎日を助ける便利な時短術まで、ホームベーカリーの時間に関するあらゆる疑問にプロの視点からお答えします。
- ホームベーカリーの基本的な所要時間
- パン作りの各工程にかかる時間の目安
- 主要メーカー別の焼き時間の違い
- 焼き時間を短縮するための具体的な方法
ホームベーカリーの時間はどのくらい?工程別に解説

- そもそもパン作りにかかる時間は?
- では、ホームベーカリーでは何時間かかる?
- ホームベーカリーのメリット
- 各工程の時間と全体の時間配分
- パン生地をこねる時間はどれくらい?
- 最も重要な発酵時間は?
- 食パンを焼く時間はどれくらい?
そもそもパン作りにかかる時間は?
パンを手作業でパンを作る場合、生地をこね始めるところから焼き上がりまで、一般的に4時間位かかります。
パン作りは、一般的に次のような7つの工程を経るため、どうしても長時間を要するのです。
- ミキシング 材料を混ぜてこねる(25分)
- 一次発酵 生地を大きく膨らませる(60分)
- 分割・丸め・パンチ ガスを抜いて分ける(30分)
- ベンチタイム 生地を休ませる(20分)
- 成形 成形する(10分)
- 二次発酵 再び膨らませる(60分)
- 焼成 オーブンで焼く(15分)
(カッコ内の時間は大凡の目安です)
もちろん、作るパンによって違いますし、素材や具材等によっても違いますが、少なくともお米を炊くような手軽さはないです。
特に、パンの骨格を作り、ふっくらとした食感を生み出すためには、十分なこね時間と、酵母がしっかり働くための適切な発酵時間が必要不可欠です。
これらの時間を短縮してしまうと、パンがうまく膨らまなかったり、硬い食感になったりする原因となります。
では、ホームベーカリーでは何時間かかる?

はじめにお伝えしたように、ホームベーカリーで一般的な食パンを焼く場合、平均して約4時間かかります。
これは、材料をセットしてスタートボタンを押してから、焼き上がりのブザーが鳴るまでの合計時間です。
「4時間もかかるの?」と驚かれるかもしれませんが、前述の通り、7つもの工程がありますのでどうしても時間がかかってしまうのです。
特に、パン作りには1次発酵、2次発酵が大切で、発酵がうまくされないと美味しいパンができません。
発酵させてる間は、ホームベーカリーは動いていないように見えますが、必ず必要な時間なんです。
ホームベーカリーのメリット
時間だけ見ると、「じゃあ、同じじゃん」と思われるかもしれませんが、メリットが2つあります。
- 放ったらかしで大丈夫
- タイマーが使える
放ったらかしで大丈夫
同じ4時間と言っても、普通にパンを作るのとはわけが違います。
わたしたちは材料を計って入れるだけなんです。
材料さえ入れてしまえば、あとは機械に任せておくだけです。
4時間後には何もしなくても美味しいパンが完成しています。
タイマーが使える
普通のパンは、こね始めたら途中でやめられません。
「今日はつかれたから、1次発酵でやめておこう」なんてことは無理なんです。
とういことは、朝の7時に美味しいパンを食べたければ、夜中の3時からパンをこね始めなければならないんです。
夜の12時にホームベーカリーのスタートボタンを入れると、何もしなければ朝の4時にパンが焼き上がります。
つまり、朝7時には焼き立てパンではなくなっているんです。
それを解消できるのが、ホームベーカリーについてるタイマーです。
タイマーをセットしてスタートボタンを入れれば、翌朝には、パン屋さんで売ってるような焼き立てのパンを食べれます。
各工程の時間と全体の時間配分

ホームベーカリーがパンを焼く約4時間の中で、どのような時間配分で各工程が進んでいるのでしょうか。
ここでは一例として、わたしが使ってるパナソニックのホームベーカリー(SD-MDX4)の工程を参考に見ていきましょう。

このように、合計時間のうち半分以上を発酵に費やしていることが分かります。
美味しいパンを作るためには、こねる時間と同じくらい、じっくりと生地を育ててあげる時間がいかに重要であるかがうかがえます。
パン生地をこねる時間はどれくらい?
パン生地をこねる時間は、パンの食感を決定づける非常に重要な工程です。
ホームベーカリーでは、断続的に合計で20分〜30分程度こねるプログラムが組まれている機種が多いです。
この「こね」の工程で、小麦粉に含まれるたんぱく質(グルテン)が網目状の構造を形成します。
このグルテンの膜が、発酵によって発生する炭酸ガスをしっかりと包み込むことで、パンはふっくらと膨らむのです。
こねが不足するとグルテンの膜が弱くなり、ガスを保持できずにキメが粗く硬いパンになってしまいます。
なので、各社、「ねり」に対していろいろな工夫をされています。
たとえばパナソニックには「3D匠ねり」、象印には「ホームメイドコース」などです。
注意点
こねている最中にフタを開けてしまうと、庫内の温度が変化して生地の状態に影響が出ることがあります。
特に室温が低い冬場などは、生地が適切に温まらず、その後の発酵がうまくいかない原因になるため、こねの工程が終わるまではフタを開けずに見守るのがおすすめです。
最も重要な発酵時間は?
パン作りにおいて、味と香りを決定づける最も重要な工程が「発酵」です。
ホームベーカリーでは、機種やコースによって差はありますが、合計で2時間〜2時間半程度を発酵時間にあてています。
これは、全工程の半分以上を占める時間です。
発酵とは、イースト(酵母)が生地の中の糖分を分解して、炭酸ガスとアルコールを生成する働きのことです。
この炭酸ガスがパンを膨らませ、アルコールがパン特有の豊かな風味を生み出します。
発酵時間は、短すぎると膨らみが悪く、長すぎると酸味が出たり(過発酵)、生地がしぼんだりする原因になります。
近年の高性能なホームベーカリー、例えばパナソニックの製品には「Wセンシング発酵」という機能が搭載されています。
これは、室温と庫内温度をセンサーで検知し、季節や室温の変化に応じて最適なタイミングでイーストを自動投入し、発酵時間を調整してくれる優れた機能です。
これにより、一年を通して安定した美味しいパンを焼き上げることが可能になります。
食パンを焼く時間はどれくらい?
最後の工程が「焼成」です。
この焼成時間も、各社でいろいろありますが、おおむね40分程度です。
ナショナルの旧機種から最新のパナソニック製品まで、基本的な食パンの焼成時間は大きく変わっていません。
ただし、焼成温度のレベルを設定できるものもあります。
たとえば、パナソニックの機種は、薄めに焼いたり、濃く焼いたり、フランスパンのように固く焼けるように時間を設定できます。
追い焼きもできますので、あなたの好みにあった焼き方を設定できます。
メーカー別ホームベーカリーの時間と時短機能

- パナソニック(SD-MDX4-K)の時間は?
- シロカ(SB-2D151)の時間は?
- 象印(BB-ST10)の時間は?
- アイリスオーヤマ(IBM-010-C)の焼き時間は?
- 焼くだけじゃない便利な時短機能
- まとめ:ホームベーカリーの時間を詳しく解説
パナソニック(SD-MDX4-K)の時間は?
ホームベーカリー市場を牽引するパナソニック。
その焼き時間と機能は、業界のスタンダードとも言える設定です。
例えば、人気モデルの「SD-MDX4」の場合、基本的な食パンコースの所要時間は約4時間です。
パナソニックの大きな特徴は、多彩なメニューと時短機能の豊富さにあります。
全部で24種類のメニューがあります。例えば次のようなものです。
- 早焼き食パン
約1時間55分で焼き上げ可能。 - 60分パン
その名の通り、約60分で焼き上がる驚きの時短メニュー。(※お菓子に近い食感になります) - パン・ド・ミ
皮はパリッと、中はもっちりとした本格的なパン・ド・ミを約4時間50分かけてじっくり焼き上げます。
また、「Wセンシング発酵」や、「3D匠ねり」、レーズンなどを最適なタイミングで自動投入してくれる機能も搭載しています。
初心者でも失敗なく美味しいパンが作れるよう、細やかな配慮がされています。
シロカ(SB-2D151)の時間は?
シンプルでおしゃれなデザインと、高いコストパフォーマンスで人気のシロカ。
シロカのホームベーカリー(SB-2D151)も、標準的な食パンコースの時間は約4時間14分と、他メーカーとほぼ同等の設定です。
シロカの魅力は、基本的な機能をしっかりと押さえつつ、手頃な価格を実現している点にあります。
また、甘酒や焼きいも、お餅、ヨーグルトなど、多彩な30種類ものメニューが作れます。
もちろん、時短に役立つ「超早焼きパン」メニューも搭載されており、その場合の焼き時間はなんと約58分。
1時間を切る時間で焼きたてが楽しめるのは嬉しいポイントです。
象印(BB-ST10)の時間は?

炊飯器で培った「炊く」技術をパン作りに応用しているのが象印です。
象印のホームベーカリー「パンくらぶ」(BB-SST10)は、独自のヒーター技術で焼き加減に定評があります。
標準的な食パンコースの時間は約3時間45分と、他メーカーに比べてやや短めの設定です。
これは、焼き工程の熱効率が良いことの表れかもしれません。
象印のユニークな点は、食感を選べるコース設定にあります。
「もちもち」「ふんわり」「プレミアムリッチ」といった3つの食感から好みに合わせてコースを選択できるのが特徴です。
うどんやそば、パスタ、お餅なども作れて、メニューは全部で26種類です。
アイリスオーヤマ(IBM-010-C)の焼き時間は?
多彩な家電を手がけるアイリスオーヤマも、機能的で使いやすいホームベーカリー2種類を販売しています。
- IBM-010-C (27種類のメニュー)
- IBM-020-B (19種類のメニュー、2斤)
「IBM-010-C」のモデルでは、標準の食パンコースで約4時間11分と、ややじっくり時間をかけて焼き上げる設定になっています。
時間をかけて丁寧に発酵させることで、より味わい深いパンを目指しているのかもしれません。
もちろん、アイリスオーヤマの製品にも時短機能は備わっています。
「早焼きパン」メニューを使用すれば、焼き上がりまでの時間を約2時間54分に短縮することが可能です。
焼くだけじゃない便利な時短機能
ホームベーカリーには、単にパンを焼くだけでなく、私たちの生活を豊かにしてくれる便利な時短機能が備わっています。
上手に活用すれば、パン作りの時間がもっと楽しく、効率的になります。
早焼きコースのメリットとデメリット

ほとんどの機種に搭載されている「早焼きコース」は、最大の時短機能です。
通常4時間かかるところを、約1時間〜2時間半で焼き上げてくれます。急いでパンを焼きたい時に非常に便利です。
ただ、便利な一方で注意点もあります。早焼きコースは、発酵時間を短縮することで全体の時間を短くしています。
そのため、通常コースで焼いたパンに比べると、膨らみがやや小さくなったり、食感が少し詰まった感じ(お菓子に近い食感)になったりすることがあります。
これは、発酵時間が短い分、生地の熟成が十分に進まないためです。
タイマー機能の活用法
タイマー機能は、物理的な時間を短縮するわけではありませんが、体感時間を劇的に短縮してくれる最高の機能です。
例えば、夜寝る前に材料をセットして、翌朝7時に焼き上がるようにタイマーをセットしておけば、朝起きたときにはパンの焼ける香ばしい香りで目覚め、朝食に焼きたてのパンを食べることができます。
パンを焼いている4時間を待つ必要がなく、生活の中にパン作りを無理なく組み込むことができます。
この機能を活用すれば、「時間がかかるから」という理由でホームベーカリーを敬遠する必要はなくなるでしょう。
まとめ:ホームベーカリーの時間を詳しく解説
ホームベーカリーでパンを焼く時間は、通常4時間と聞くと長く感じるかもしれません。
しかし、それは美味しいパンを育むための大切な時間です。
各メーカーの特性、コースごとの所要時間、そして便利な時短機能を理解すれば、時間は上手にコントロールできます。
急ぐ日は早焼きコース、朝食にはタイマー予約、じっくり味わいたい休日は標準コース。
このように、ご自身の生活リズムに合わせて機能を賢く使い分けることが、豊かなパンライフを送る一番のコツです
- ホームベーカリーの通常コースは約4時間が目安
- この時間にはこね・発酵・焼きの全工程が含まれる
- 時間の大半はパンの味と香りを育む発酵時間
- パナソニックの標準時間は約4時間、多彩な時短メニューが魅力
- シロカの標準時間は約4時間15分、コスパと早焼きに定評
- 象印の標準時間は約3時間45分、食感を選べるのが特徴
- アイリスオーヤマの標準時間は約4時間30分、じっくり焼き上げる設計
- 急ぐときは約2時間半で焼ける早焼きコースが便利
- 早焼きは食感が少し変わる点に注意が必要
- タイマー予約を使えば待ち時間ゼロで焼きたてが楽しめる
- 朝食に合わせてセットするのが最も賢い使い方
- レーズンやナッツを入れるなら自動投入機能付きが断然楽
- 自動投入がない機種はブザーの合図で手動で投入する
- パン作り以外のメニュー(ジャム、もち等)は比較的短時間で完成する
- 自分のライフスタイルに合わせてコースや機能を使い分けることが重要