オーブンレンジにスチーム機能はいらない？賢い選び方と買う前に知りたい真実

オーブンレンジ選び、悩みますよね。

特に「スチーム機能」の扱いは難しい問題かなと思います。

「オーブンレンジのスチーム機能はいらない」と割り切る意見もあれば、「絶対に必要」という声も聞きます。

家電量販店で見ると、高価格帯モデルには必ずと言っていいほど搭載されています。

そのスチーム機能、本当に使うのか？と疑問に思う方も多いでしょう。

簡易スチームや過熱水蒸気といった種類の違いも分かりにくいですし、掃除の手間や、一人暮らしにはオーバースペックではないか、という不安もありますよね。

スチームなしのモデルを選んで、揚げ物の温め直しや蒸し料理をして、後から後悔しないかも心配です。

この記事では、スチーム機能のメリット・デメリットを比較し、実際に使うかどうか解説します。

そしてスチームなしのモデルを選ぶ場合のおすすめポイントについて、私なりの視点で整理していきます。

オーブンレンジのスチーム、いらない派のデメリット

まずは「スチーム機能はいらない」と感じる方々の意見を紹介します。

高機能モデルを買って後悔したくない、という視点から、主なデメリットや使わなくなった理由を見ていきましょう。

スチーム機能は掃除が大変？

これが最大の理由かもしれません。

特に「過熱水蒸気」を多用するモデル（シャープのヘルシオなどが代表的です）は、調理のたびに庫内が水蒸気でびしょびしょの状態になることが多いです。

使用後は毎回、乾いたふきんを何度か絞りながら、庫内全体を念入りに拭き上げる作業が必須になります。

さらに、給水タンクに残った水を捨てたり、本体下部にある「つゆ受け」に溜まった水を廃棄・清掃したりする手間も必要です。

この一連の日々のメンテナンスを「面倒だ」と感じてしまうと、次第にスチーム機能そのものを使わなくなってしまう…というパターンがあります。

手入れを怠れば、水垢やカビが発生する衛生的なリスクも伴うので、かえって気疲れしてしまうという声も聞かれます。

過熱水蒸気はいらないという後悔

「スチーム」と一口に言っても、実は機能に大きな違いがあります。

「過熱水蒸気（タンク式）」と「簡易スチーム（カップ式・角皿式）」の2種類です。

そして、「スチーム機能はいらない」という議論の対象になっているのは、主に高機能で高価な「過熱水蒸気」のことかなと思います。

過熱水蒸気は、100℃以上に加熱した高温の水蒸気を食材に噴射し、その熱エネルギーで「焼く」ことができる調理法です。

食材の余分な脂や塩分を落としながら調理できる、いわゆる「ヘルシー調理」が最大の魅力です。

ただ、その高度な機能の分、価格が数万円単位で高くなります。

さらに、高性能なボイラーなどを内蔵するため本体サイズも大きくなりがちで、キッチンの設置場所を圧迫することも…。

「ヘルシー調理に惹かれて最上位モデルを買ったけど、高かった割にあまり使っていない…」
「結局、掃除の手間が勝ってしまった」

という後悔の声は、この高価な過熱水蒸気モデルに多い印象です。

スチーム機能は実際どのくらい使う？

これも本当にリアルな疑問ですよね。

結論から言うと、「その人のライフスタイルによる」というのが、正直なところだと思います。

例えば、日常的にヘルシー志向の蒸し料理（温野菜や蒸し鶏など）をよく作ったり、油を使わない調理を重視したりする人にとっては、出番が多いでしょう。

また、自宅でよくパンを焼く人にとっても、スチームは生地の発酵をサポートしたり、焼成時に潤いを与えたりする重要な機能になります。

逆に、

「主な用途は、買ってきたお弁当や冷凍食品の温めと解凍」
「オーブンはたまにクッキーやグラタンを焼く程度」

という方にとっては、高価なスチーム機能は「宝の持ち腐れ」になる可能性が非常に高いです。

結局、「毎日使うのは電子レンジの温め機能ばかり」というパターンは、高機能モデルを買った人から本当によく聞く話です。

スチーム機能の比較（簡易・タンク）

ここで、少し分かりにくいスチーム機能の種類を、もう少し詳しく整理しておきますね。

選ぶ上でとても重要なので。

オーブンレンジのスチーム機能は、大きく分けて2種類あります。

① 過熱水蒸気（タンク式 / 本格スチーム）

専用の給水タンクに水を入れておき、調理時にボイラーなどで高温の蒸気を安定的に生成するタイプです。

② 簡易スチーム（カップ式・角皿式）

付属のスチームカップに水を入れたり、オーブン皿の溝に水を入れたりして、それをレンジ加熱やヒーター加熱で蒸発させて蒸気を発生させるタイプです。

ポイントの整理

こうして見ると、「スチーム機能はいらない」と考える人の多くは、「過熱水蒸気」の価格と手間に見合う価値を感じていない、ということかなと思います。

スチームあり・なしの仕上がり比較

では、スチーム機能の「あり」と「なし」で、実際の仕上がりはどれくらい違うんでしょうか。

これは料理によりますね。

肉料理や魚料理  

スチームがあった方が、食材の水分を保ちやすいため、肉はジューシーに、魚はふっくらと仕上がる傾向があります。

スチームなしのオーブン加熱だけだと、高温で焼き上げるため、水分が飛んでパサつきやすくなる可能性があります。

揚げ物の温め直し  

これは意見が分かれるところです。

スチームで「しっとりふっくら」させたい（肉まんなど）なら「あり」ですが、コロッケや天ぷらの「サクサク感」を復活させたいなら、スチームはむしろ不要、あるいは邪魔になるという意見も多いです。

トースト  

オーブントースター専用機にはかないませんが、オーブンレンジで焼く場合、スチームがあると（特に簡易スチームでも）、水分を補いながら焼くので「外はカリッ、中はふんわり」を実現しやすいと言われています。

ただ、これらの仕上がりの差も、実は「代用テクニック」でかなりカバーできる、と私は考えています。

それについては、次の章で詳しく見ていきましょう。

オーブンレンジのスチーム、いらないとは限らない理由

ここまで「いらない派」の意見を中心に見てきましたが、もちろん「あった方がいい」という理由もあります。

ただ、ここでは「スチーム機能がないと絶対にダメ！」というよりは、「スチームなしでも、こういう工夫で大丈夫ですよ」という視点で解説していきますね。

スチームなしでの揚げ物温め直し術

お惣菜の揚げ物、スチームなしだとベチャッとしてしまいそうで不安ですよね。

でも、ご安心ください。「サクサク感」の復活にスチームは不要です。

むしろ「電子レンジ」と「オーブントースター」の組み合わせが最強だと私は思います。

これだけです。

ポイントは、レンジで「中」を温め、トースターで「外」の水分を飛ばす、という役割分担ですね。

くしゃくしゃのアルミホイルの凹凸に、温めで出た余分な油や水分が落ちるので、衣が油でベチャッとなるのを防げます。

使う回数にもよりますが、スチーム機能に数万円払うより、高性能なオーブントースターを別途買った方が満足度が高いかもしれませんね。

スチームなしで蒸し料理はできる？

茶碗蒸しや蒸し野菜、シュウマイなど、「蒸し料理」もスチーム機能がないと作れないと思いがちですが、全くそんなことはありません。

専用の蒸し器がなくても、家庭にあるもので簡単に、そして完璧に代用できます。

代用テクニック1：フライパンや鍋

これが一番本格的にできるかもしれません。

これで、立派な蒸し器になります。

鍋の縁に引っかかるサイズの金属製ザルを使う方法も手軽ですね。

ただし、プラスチック製のザルや小皿は熱で溶ける可能性があるので注意してください。

代用テクニック2：シリコンスチーマー、炊飯器

シリコンスチーマーが一番手軽かもしれません。

野菜や肉、魚などをシリコンスチーマーに入れて、電子レンジで加熱するだけです。

温野菜はもちろん、サラダチキンや蒸しパンまで、短時間で簡単に作れます。

また、炊飯器に少量の水を入れ、餅焼き網やケーキクーラーなどを置いて食材を乗せ、炊飯スイッチを押す方法もあります。

ただし、炊飯器の機種によっては推奨されていない場合や、ニオイ移りの可能性もあるので、取扱説明書を確認してみてください。

スチームなしで鶏肉はパサパサか

鶏むね肉など、脂肪の少ないお肉をスチームなしで加熱するとパサパサになりそう…という不安もありますよね。

これも、ちょっとした下ごしらえやテクニックで解決できると思います。

レンジ加熱の場合  

鶏むね肉に塩コショウなどをした後、片栗粉をまぶしてから加熱すると、保湿コーティングされて肉の水分が逃げにくくなります。

加熱中に濡らしたペーパータオルで鶏肉を包んだり、ふんわりとラップをしたりするだけでも、自身の水分で蒸される状態になり、しっとり仕上がります。

オーブン加熱の場合  

オーブンで鶏肉を焼く際も、調理の途中でアルミホイルを上からかぶせます。

かぶらせたアルミホイルで、水分の過度な蒸発を防ぎ、パサパサになるのを抑えられます。

スチーム機能がなくても、こうした工夫次第で鶏肉をジューシーに仕上げることは十分可能です。

スチームなしのおすすめ機種

「じゃあ、スチームなし（または簡易スチーム）を選ぶとして、何に注目すればいいの？」となりますよね。

私が大事だと思うのは、スチーム機能にお金をかける代わりに、日々の使い勝手に直結する「基本性能」にこだわることです。

スチームなし・簡易スチームモデルを選ぶ重要ポイントは、3つあります。

① センサーの種類（最重要！）

温めの仕上がりを左右する「頭脳」部分です。

安価なモデルは「温度センサー」や「湿度センサー」ですが、予算が許すなら「赤外線センサー」搭載モデルが断然おすすめです。

食材の表面温度を直接測るので、冷凍ご飯やおかずの温めムラが格段に少なくなります。

② オーブン最高温度と方式

たまにでもお菓子やパン、ピザを焼くなら、オーブン最高温度が250℃以上は欲しいところです。

東芝の「石窯ドーム」シリーズのように、庫内天井がドーム型で熱が回りやすい（コンベクション）モデルは、焼きムラが少なく本格的なオーブン調理に向いています。

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③ 手入れのしやすさ

これはもう「庫内がフラット」というのが必須条件ですね。

下位モデルのターンテーブル式は、掃除が本当に大変です。

庫内がフラットであれば、汚れてもサッと拭き取れます。

さらに、庫内に汚れがつきにくいコーティングが施されているかもチェックポイントです。

人気メーカーごとの特徴

これらのポイントを踏まえると、以下のようなメーカーが人気ですね。（※機種の入れ替わりは早いため、具体的な型番よりシリーズの特徴で選ぶのがおすすめです）

いろいろ比較してみると、スチーム機能がないオーブンレンジで一番満足度が高そうなものは、パナソニックになりそうです。

一人暮らしはスチームなしで十分？

これは、「ほぼ十分」というのが私の考えです。

一人暮らしの場合、キッチン（特にレンジ置き場）のスペースが限られていることが多いですよね。

高機能なスチーム（過熱水蒸気）モデルは、本体サイズ（特に奥行き）が大きく、30Lクラスの大容量が主流です。

一人暮らしにはオーバースペックで、場所も取ってしまいます。

よほど料理にこだわる人以外は、20L～25L前後の「スチームなし」または「簡易スチーム」モデルで十分かなと思います。

それよりも、前述した「赤外線センサー」搭載モデルを選んで、日々の冷凍食品やコンビニ弁当の「温めムラ」をなくす方が、生活の満足度は上がるかもしれませんね。

スチーム機能が必要な人、必要じゃない人

「オーブンレンジのスチーム機能はいらないか？」という問いに対しては、「あなたがオーブンレンジで何を作りたいかによります」というのが、私の答えです。

スチーム機能は、あれば確かに料理の幅が広がる便利なものです。

こういう方にとっては、「スチーム機能は必要」だと思います。

一方で、

こういう方にとっては、「オーブンレンジのスチーム機能はいらない」という判断は、非常に合理的で賢い選択になる可能性が高いです。

まとめ：オーブンレンジのスチーム機能はいらない？

オーブンレンジのスチーム機能についてみてきました。

料理に対して興味がある方は、スチーム機能は必要ですし、価格の割に満足できると思われます。

そうでもない方は、スチーム機能に充てるはずだった予算を、「高精度センサー」や「高火力オーブン」といった日々の満足度に直結する基本性能に回したほうが良いかもしれません。

さらに、浮いた予算で高性能な「オーブントースター」や「シリコンスチーマー」を別途購入する。

ぜひ、ご自身のライフスタイルや料理の頻度と照らし合わせて、最適な一台を選んでみてください。

最後に、この記事のポイントをまとめます。